徴兵され、従軍し、上官の命令に従っただけの主人公・豊松。
自分も、家族も、周りの人も、最後まで彼の無実を信じた…。
戦争のひとつの小さな悲劇。
もうひとつの戦争の傷跡を、若い人にも、みんなに観てもらいたい。
(C)2008『私は貝になりたい』製作委員会
本当にいい映画でした。
僕は、フランキー堺さん主演のドラマや映画を知りません。
この映画で表現されているのは反戦と冤罪、戦争の残した小さな傷跡に対する問い。
なぜ?という当然の疑問、最後まで主人公・豊松の無罪を期待しながら、
一瞬で終わる絞首刑の執行が、見た後余韻を引きづりました。
主人公は、高知県の港町で散髪屋を営む清水豊松(中居正広)。
彼は、貧乏な家庭で育ち、小学校を出ると散髪屋に丁稚に出る。
不器用で親方から怒られながら、懸命に腕を磨き、高知市内の床屋で、
妻となる房江(仲間由紀恵)と出会い恋に落ちる。
子供ができたため、望まれない結婚となりましたが、2人は故郷を捨て、
少ない蓄えを元手に、散髪屋を開き、こどもと3人で幸せに暮らしていた。
戦局が悪化するなか、小さなこの村の人々にも赤紙が届き出す。
彼は左足が不自由でしたが、昭和19年とうとう豊松にも召集令状が届く。
従軍した豊松は訓練を積み、ある日爆撃に着たB29が不時着した。
豊松の舞台は生存している米兵の捜索に出る。
発見した米軍兵に対し、上官の命令を受けた豊松は…。
その後終戦を迎え、自宅に戻った豊松と房江は第2子を授かる。
しかし、B29の米兵に対する行動がもとで、豊松は米軍のMPに連行される。
戦犯として裁判を受け、降りた審判は意外にも絞首刑だった。
「お前は殺意があったのか?なぜ上官の命令に反対しなかったのか?」
「あなたたちはわかっていない。上官の命令は天皇陛下の命令です。」
東京・巣鴨の刑務所で、刑の執行までいろいろな出逢いがあり、ドラマがあります。
収容されたすべての人は、戦争の渦に巻き込まれた人々。
A級戦犯のみならず、B・C級の者まで極刑を宣告される。
豊松の無罪を晴らすため、身ごもる房江は署名集めに奔走する。
署名を依頼された者は関わりたくないと、署名集めに大変苦労をする。
刑務所内では、有罪を宣告されたものが放免されている噂があった。
豊松は、本来無罪で、放免の情報もあり、家族のもとへ帰れると確信する…。
なぜ、彼は貝になりたいといったのか?
この時代が残したものは、現代に生きる私たちは、何を学ぶべきなのか?
【キャスト】
中居正広、仲間由紀恵、笑福亭鶴瓶、草彅剛、上川隆也、石坂浩二ほか
【公式ページ】
http://www.watashi-kai.jp/
【予告編】
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