話題の映画案内

2009年9月12日土曜日

重力ピエロ 5月23日公開の映画(仙台市のみ4月25日)

幸せな家族は暗く、悲しい過去を引きずっている
連続放火事件、連続レイプ事件、母親の事故死…
結末は予想できるが、暗いテーマをハッピーエンドにする
井坂幸太郎作品のベストセラーの映画化
今年ブレイク必死の岡田将生にも注目!

(C)2009「重力ピエロ」製作委員会

2人の対照的な兄弟。
兄の名は
泉水(加瀬亮)、弟の名は春(岡田将生)。
兄は遺伝子の研究のため大学院に通い、弟は絵描きの見習い?。
弟はハンサムで女の子からよくモテルが、兄は…。

その頃仙台市内では、連続放火事件が発生していた。
壁の落書きを消すアルバイトをしていた春は、放火がいつも落書きの近くで起こっていることに気づく。
春は兄の泉水に、そのことを話し、2人は犯人探しのため、放火の謎解きに挑戦する。
そして泉水は、落書きが遺伝子の頭文字を現しているという。
放火と遺伝子は関係しているのか?

父(小日向文世)と兄弟は、母(鈴木京香)の命日に集まり、昔話に花を咲かせた。
父の作った牛乳入りのおでんをつまみながら、思い出を語る。
古い写真を見ていると、春の背後にいつも同じ少女が写っていた。
彼女は、春に惚れ、いつも春を追っかけていた。
家族は、春を追うという意味で「夏子さん」と呼んだ。

春には出生の秘密があった。
市役所の職員だった父は、撮影に来たモデルの母と偶然出会う。
美人の母は、24年前の連続レイプ事件の被害者だった。
家族は仲睦まじく時を過ごし、兄弟は普通に成長したのかと思えた。
しかしその事件は、この家族に深く影を落としていた…。

事件の犯人(渡部篤郎)は、刑期を終え、しばらくしてから、仙台に戻っていた。
彼は風俗関係の仕事を営み、羽振りのいい生活を送っている。
泉水は、大学の友人からその事実を知った。
偽装して、彼を訪問し、しばらく会話をした。
しかし彼は、まったく事件のことを省みず、無神経な発言を繰り返す。
「僕は悪いことをした事がない」
泉水は、当然怒りを覚え、殺人の計画を練った。

泉水は、見ず知らずの少女(吉高由里子)に追われていることに気づく。
ある時、追いかけて問い詰めると、彼女は泉水ではなく、春を追いかけているという。
彼女は、全身整形を施し、依然とは別人の「夏子さん」だった。
そして、彼女は放火事件について知る驚愕の事実を語る。
ここまで来れば、おおよその展開は読めるだろう。

ふたつの事件が、長い時を経て運命のように結びつく。
しかし、結末を迎えた後も、家族は変わらない絆で結ばれていた。
「最強の家族」
僕はそれを見て、安心し、さわやかな気持ちになれた。
BGMに使われるバイオリンの音色が心に響く。

【ひとこと】
レイプ、放火など深刻な問題を扱い、レイプ犯の発言に不快感がある。
しかし、父親と母親、兄弟の愛情が心地よく、期待した結末がスッキリさせてくれるだろう。
スッキリ度  ★★★★
家族愛度 ★★★
感動度   ★★
【キャスト】
加瀬亮、、岡田将生、小日向文世、吉高由里子、岡田義徳、渡部篤郎、鈴木京香ほか
【公式ページ】
http://jyuryoku-p.com/
【予告編】

グラン・トリノ 4月25日公開の映画

有名な俳優はC・イーストウッドただ1人
秀逸な脚本の上に、光るセリフと演技
仕事を引退し、妻に先立たれた初老の男の日常

彼の隣人と、街にはびこる不良少年たち
これぞ映画の真髄、心に響く人間ドラマだ!

(C) 2009 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.



ウォルト・コワルスキー(クリント・イーストウッド)の住むミシガン州は、自動車工業で発展した町。
彼は長年フォードの自動車職人だったが引退した。
その後、息子たちは独立し、妻に先立たれ、単身生活を送っている。
頑固で、偏屈な親父だ。
妻の葬儀では集まった息子家族、参列者、神父にまで毒づき、つばを吐く。
参列者には「ハムを食いに来ただけだ」。
牧師には「頭でっかちの童貞」と。

ウォルトの家の隣には、モン族の家族が引っ越してきた。
町は工場で働く、多くの移民が住んでいる。

家の修理もせず、庭の手入れもされていない、そんな家が増えた。
ウォルトはそんな周囲を見て、あきれ、移民たちへの不満を口にする。
ここで生まれた若者は、民族ごとに徒党を組んで、自衛している…。

ウォルトの隣人タオ(ビー・バン)は、学校にも行かないいじめられっ子。
ある日、彼が白人の不良グループにからまれていると、
いとこのスパイダーたちモン族のグループに助けられた。
そしてモン族のグループは、タオを一味に引き込もうと、誘うのだった。

ある晩ウォルトは、自分の家の倉庫の異変に気づく。
ライフルを持ち、倉庫に入ると、愛車グラン・トリノを盗もうとする少年を発見した。

後日、ウォルトがひと仕事終え庭で休んでいると、モン族の不良グループがタオを誘いに来た。
タオに近寄る彼らは、うっかりウォルトの家の庭に入ってしまった!
ウォルトはライフルを構え、「うちの庭に入るな」と威嚇するのだった。
不良グループは退散し、ウォルトは隣の家族から感謝される。
さらに隣人から、お礼のしるしとして、料理・花・植木が運ばれてきた。
しかし、ウォルトは迷惑そうな顔で、「ゴミを持ち込むな」と怒鳴るのだ。

これをきっかけに、タオの姉スー(アーニー・ハー)は、ウォルトに親しみをもつ。
スーは、明るく積極的な性格で、アメリカの生活にすっかり溶けこむ女の子。
ある日スーの家では、大勢のモン族の集まるパーティーが開かれていた。
ウォルトが家の前で、ビールを飲んでいると、スーは彼をパーティーに誘った。
彼はあっさり断るが、缶ビールを飲みほし、冷蔵庫にもない。
スーは、「家に来れば、ビールもご馳走もたくさんあるわよ」
しかたなく、ウォルトは招待を受けるのだった。

初めは、モン族からの冷たい視線を感じ、
なじめず、料理にも手を触れない。
モン族の祈祷師のお告げに、的確に指摘され、自問する。
スーに連れられ、モン族の若者たちの集まる地下室へ。
そこで孤立するタオを見て歩み寄り、声をかけるウォルト。
「あの子が好きなら、自分から声をかけたらどうだ」。
タオは、車を盗みに入ったことを告白した。
お詫びのため、家族はウォルトに、タオに奉仕させると申し出る。

それからウォルトとタオのふれあいが始まった。

不器用だが、熱心に手伝いをするタオ。
それを見て、心を開き、父親のように接するウォルト。
タオを見直したウォルトは、知り合いの建設現場の仕事を紹介する。
さらに、仕事に必要な工具を買い与えた。

ある日の仕事の帰りに、タオがモン族の不良グループに襲われた。工具を取り上げられ、顔には火のついたタバコを押し付けられる。
この事実を知ったウォルトは、その少年たちのアジトに行き、リーダーを殴り散らす。
不良たちはその復讐に、車に乗ったまま、タオの家に向かってマシンガンを打ち込み逃走する。
被害は少なかったが、スーの姿はなく、行方がわからない…。
家に戻ってきたスーは、顔を殴られ、乱暴された姿で帰ってきたのだ。

ウォルトは自宅で、悩み、考えあぐねていた。
そこへ、タオがやってきて、「今すぐ報復しにいこう」と叫んだ。
ウォルトは、タオをたしなめるが、彼の気持ちは収まらない。
「夕方4時にもう一度来い」と、ウォルトは言った。
タオは言われたとおりにやってくるが、ウォルトはタオを地下室に閉じ込める…。
そして、彼は1人で不良少年の家に向かい、
この争いを永久に収める最善の方法”を実行するのだった!

【ひとこと】
昔気質のウォルト、街と移民の日常が描かれ、彼の汚いセリフには笑いが漏れる。
隣人とのふれあい、不良グループとの応酬が、悲しい結末へ導かれる。
深いテーマと緻密なシナリオが、こころに響く秀作。
オススメ ★★★★★
完成度  ★★★★
脚本度 ★★★★★
【キャスト】
クリント・イーストウッドほか
【公式ページ】
http://wwws.warnerbros.co.jp/grantorino/
【予告編】

GOEMON 5月1日公開の映画

悲しき忍びの運命と、屈強な戦国武将たち
歴史を大幅にアレンジしたストーリー
豪華キャストの出演と軽快な忍びのアクション
目を見張る展開は、紀里谷和明によって描かれる注目作だ!

(C)2009「GOEMON」パートナーズ



長い間つづいた戦国時代を終え、世は豊臣の時代。
活気を取り戻した街の夜は、煌びやかに輝きを放っていた。
天下の大泥棒・GOEMON(江口洋介)は、富める者から盗み、貧困にあえぐ民に分け与える。
ある夜、GOEMONは豪商・紀伊国屋文左衛門の財宝を盗み、屋根の上から、分け与えていた。
鍵になる南蛮風の箱を手にしたのは、貧しい少年・小平太(深澤嵐)だった。

GOEMONの手下・猿飛佐助(ゴリ)は、
石田三成(要潤)が南蛮の箱を執拗に探していることを知る。
彼らはその箱を探しに街へ向かい、
三成の差し向けた又八(玉山鉄二)が、小平太の母(鶴田真由)を斬り殺す場面に遭遇する。
GOEMONの脳裏によぎったのは、幼少時代に起きた同じような記憶。
彼は又八の腕を斬りおとし、
小平太に「強くなれ。強くなれば何も奪われない」と告げる。

そして現れたのは、最強の忍・雲隠才蔵(大沢たかお)だった。
GOEMONは箱を取り戻し、才蔵と戦いながら、その場から立ち去る。
その光景を、服部半蔵(寺島進)が見つめていた…。

三成が才蔵を、家康(伊武雅刀)が半蔵を使い、
謎の箱を手に入れようとしていた。
その箱には、信長暗殺の首謀者が、秀吉であることを示す証拠が隠されていたのだ!

衝撃の事実を知ったGOEMONは単身で大坂城に乗り込み、
秀吉を殺害したかのように見えた。
その騒ぎの中で、思いがけなく茶々(茶々) と再会することになる。
しかし殺したと思った秀吉は、ただの影武者だった。

そして、GOEMONは忘れ去ろうとしていた過去の扉を開いてしまう。
両親を失った自分を拾ってくれた恩人・織田信長(中村橋之助)。
信長に仕える半蔵のもとで、
GOEMONと才蔵は忍びとしての鍛錬を積んだのだ。
忍びは、裏の存在として、かなり低い身分だ。

信長亡きあと、気楽な生活を求めたGOEMON。
侍になることを夢見て三成の手下になった才蔵。
そして大坂城で再会した茶々との幼い日々の思い出。
かつて五右衛門は、茶々の護衛を任され、ほのかな恋心を抱いていたのだった。

そして、物語の結末へと突き進んでいく。
信長暗殺の復讐に立ち上がるGOEMON。
侍を夢見ながら運命に翻弄されていく才蔵。
信長を裏切り、権力を手にした秀吉。
次の天下を狙い、秀吉の秘密を暴こうとする三成。
戦乱の世を終わらせるために心を砕く茶々。
新しい時代を目指そうとする家康と半蔵。
それぞれの思惑が、複雑に絡みあい闘いが繰りひろげられる!

【ひとこと】
誰もが知る歴史上の人物を背景に、歴史とは別物のストーリーが面白い。
紀里谷和明の描く世界観は石川五右衛門でなく、間違いなく“GOEMON”だ。
ストーリー ★★★★
キャスト   ★★★★
アクション ★★★★
【キャスト】
江口洋介、大沢たかお、広末涼子、ゴリ、要潤、玉山鉄二、中村橋之助
寺島進、平幹二朗、伊武雅刀、奥田瑛二、チェ・ホンマン、鶴田真由ほか
【公式ページ】
http://www.goemonmovie.com/index.html
【予告編】
 
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