話題の映画案内: 12月 2008

2008年12月27日土曜日

オーストラリア 2月28日公開の映画

第2次世界大戦中のオーストラリアを描く
イギリスから来た貴婦人は、亡き夫の牧場を引き継ぐ

広大な国土、雄大な生活、そして人種差別、戦争…
オーストラリア人のスタッフ・出演者による大作
(C)2008 TWENTIETH CENTURY FOX

2時間40分にわたるこの超大作は、大勢のオーストラリア人により、母国オーストラリアが描かれている。
そのストーリーは大きく3つに分かれる。
まず、主人公レディ・サラ・アシュレイ(ニコール・キッドマン)が、夫のいるオーストラリアにやってくる。
ここでは、広大なオーストラリア、雄大な牧場での生活、これから展開するストーリーが暗示される。
その後、経営の悪化した牧場を立て直すため、遠く離れたダーウィンまで牛を売りにいく。
多くの牛をたった数人の人間で誘導するが、それを妨害する魔の手の存在がある。
最後に戦争の中のドラマ。
オーストラリアが第2次世界大戦に参戦し、ダーウィンが日本軍の攻撃を受ける。
それまでの生活が一変し、街が焼け落ち、愛する人の救出劇が描かれる。

【ストーリー】
英国貴婦人レディ・サラ・アシュレイは、オーストラリアに来て夫の死を知り、牧場を引き継ぐ。
ここでは広大なオーストラリアの風景や生活が目を引く。
牧場での生活は、数人の乗馬した男が数百・数千の牛や馬を追うシーンが圧巻だ。
働くものは、白人・アボリジニ、そして問題の混血など。
当時のオーストラリアには、混血は隔離される規則があったようだ。

次に、牧場の1500頭もの牛を、遠く離れたダーウィンの町へ売りにいく大移動。
女主人を筆頭に、素人が集まって、“牛追い”を敢行する。
そこには、牛を驚かせる放火、毒をまかれた泉など同業牧場からの妨害工作が…。
肉牛の売買を独占するため、キング・カーニーはニール・フレッチャーに行方を阻むよう命じていた。
しかし、一行を遠くから見守る、アボリジニの呪術師キング・ジョージの存在があった。
何とかダーウィンにたどり着き、牛を軍に売却すると、しばらく平穏な日々を迎える。

締めくくるのは、戦争の時代。
一行は“ファラウェイ・ダウンズ”牧場へ戻り、安らかな生活を送る。
しかしまもなく、オーストラリアは第2次世界大戦に巻き込まれ、参戦する。
ダーウィンは、勢力を拡げる日本軍によって攻撃を受けるのだ。
そこには、隔離された混血の少年ナラ、軍本部で働くサラがいた。
2人の救助に向かうドローヴァー…。

戦争までのオーストラリアを描く壮大な作品。
そこには、オーストラリアの明と暗が描かれ、戦争の悲惨さがある。
牧場同士競争、サラとドローヴァーのロマンスがドラマに彩を添える。

【キャスト】
ニコール・キッドマン、ヒュー・ジャックマン、デヴィッド・ウェンハム、ブライアン・ブラウンほか
【公式ページ】
http://movies.foxjapan.com/australia/
【予告編】



2008年12月21日日曜日

ロルナの祈り 1月公開の映画

国籍取得のため、ひとりの女をめぐる悲しい物語
結婚して、ベルギー国籍を取ろうとするロルナ
結婚斡旋人は、彼女を国籍売買の道具にしようとした
ロルナの運命は突如崩れていく…




アルバニア人のロルナ(アルタ・ドブロシ)は、ベルギー国籍を取るために、
クローディ(ジェレミー・レニエ)と結婚した。
孤独な彼は麻薬中毒で、ロルナを支えに、ロルナを頼り、麻薬を絶とうとしていた。
仕事に出かけるロルナに、お金を預け、買い物や玄関を締め切るように頼む。
外にいる知り合いの売人からの誘惑を避けるために。

2人の結婚を斡旋したファビオ(ファブリツィオ・ロンジョーネ)は、
ロルナがベルギー国籍を取った後、彼女とロシア人の結婚を計画していた。
ベルギー国籍を望むロシア人から大金を手に入れるのだ。
ロルナは、恋人のソコル(アルバン・ウカイ)と2人の店を持つことを夢見ていた。
その資金をつくるため、彼女は偽装結婚で、ソコルは原発での仕事に従事する。

ファビオは、麻薬中毒のクローディを殺害し、ロルナを未亡人にしようとした。
麻薬中毒者が何らかの形で死んでも、他殺を疑われることはない。
だがロルナは、夫婦の不仲を装い、裁判手続きを経て離婚しようとした。

ある日、ロルナが家に帰ると、クローディと売人が家にいた。
クローディは、彼女に預けたお金を要求する。
ロルナは売人を追い出した後、争いながらも、内側から部屋の鍵をかけ、出られないようにした。
落ち着きを取り戻すと、ロルナはクローディをベットに誘った…。

その後、ロルナは子供を身ごもる。
次の偽装結婚のため、子供を堕ろそうとするが、彼女にはできなかった。
子供を身ごもったロルナは、もう偽装結婚に必要なくなっていた…。

この映画の裏に、現代ヨーロッパの移民の問題・格差の問題が背景に見える。

【キャスト】
アルタ・ドブロシ、ジェレミー・レニエ、ファブリツィオ・ロンジョーネ、オリヴィエ・グルメほか
【公式ページ】
http://lorna.jp/
【予告編】

ベンジャミン・バトン 数奇な人生 2月7日公開の映画

生まれたときが80歳、時が経つにつれ若くなる
主人公ベンジャミンの変わった一生が描かれる

親に捨てられ、老人施設で育ち、戦下の輸送船の船乗りに…

最愛の人との再会・別れ、不思議な宿命

ブラッド・ピット主演のアカデミー賞有力候補!

© 2008 Paramount Pictures Corporation and Warner Bros. Entertainment All Rights Reserved.

生まれた時からしわくちゃで、自分の足で立てず、耳が遠い。
父親は驚き、生まれたばかりのこどもを、ある施設の前に置き去っていく。
施設から出てきた男は気持ち悪がるが、一緒にいた黒人女性は運命を感じ、こどもを持ち帰る。
老人ホームで働く彼女は、ベンジャミン(ブラッド・ピット)を老人と共に育てるのだった。

ある日養母は教会に行き、神父のひと言に促されたベンジャミンは自分の足で立ち、歩く。
時が経るにつれベンジャミンの見た目は若返えり、体力も増すのだった。
少女・デイジーは、一見年寄りのベンジャミンと心を通わせる。
その姿は、普通のこども同士の風景と変わらない。
施設に来た黒人男性に連れられ、ベンジャミンはBARへ。
実際はこどもの年齢だが、誰も気づかない。

その後…
施設を出て船乗りになり、
ロシアのホテルでの情事、
帰郷、実父との再会、
デイジーとの再会、
デイジーとの同棲・別れなど、
人生を逆に生きた、ベンジャミンの人生が展開する。

ベンジャミンを捨てた実父は、立派に成長した息子に近づき、自分の会社・財産を譲りたいという。
ベンジャミンは養母をママと呼び、勝手な実父が描かれる。

最も印象的なのは、デイジーとの時間の差だ。
バレリーナとして成功したデイジーは、
ベンジャミンとは程遠い世界にいた。
その後事故に遭い、途方にくれたデイジーを見舞い、
ベンジャミンは人生の伴侶となる。
2人の年齢が重なり、気持ちが通じ合ったひとときの後、
デイジーは年をとり、ベンジャミンは若返る。
この年の差に2人は限界を知る。

人との出会い・別れ、ベンジャミンの稀有な人生の出来事が描かれている。

【キャスト】
ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、タラジ・P・ヘンソン、ティルダ・スウィントンほか
【公式ページ】
http://wwws.warnerbros.co.jp/benjaminbutton/
【予告編】

2008年12月14日日曜日

誰も守ってくれない 1月24日公開の映画

未成年が起こした殺人事件の、容疑者家族のその後を描く
マスコミ・一般市民・ネットの書き込みは、その家族も追いかける
容疑者の妹・沙織と、彼女を保護する刑事・勝浦
容疑者家族の保護”をテーマに描く社会派ヒューマンドラマ

(c)2009 フジテレビジョン 日本映画衛星放送


中学生の沙織(
志田未来)は、平凡な学生生活を送っていた。
刑事の勝浦(佐藤浩一)は、離婚の危機ながら、家族旅行を計画し、娘のプレゼントを用意した。
そこへ突然小学生殺人の容疑者逮捕の知らせが…。

勝浦は、容疑者家族の保護を指示され、船村家へ向かう。
船村家はマスコミややじ馬に取り囲まれ、長男の逮捕・家宅捜索が始まった。
その後、警察・家庭裁判所の担当者から、残った3人に次々と過酷な指示が言い渡される。
妻の旧姓に戻すこと、家族はバラバラで過ごすこと、一生この事件から逃れられないこと
記者たちの執拗な追跡、やじ馬の投石と罵声が。
「被害者家族に謝れ」

しばらく沙織は、勝浦と一緒に行動することになる。
「なぜ私がこんな目に遭わなきゃならないの?」「世の中な、誰も守っちゃくれないんだ」
マスコミからの追求、一般市民からの批判から逃れるため、身を隠すのだ。
警察が用意したホテルは嗅ぎつけられ、勝村のアパートや知人の家などを点々とする。

勝浦にはトラウマとなる過去の事件があった。
上からの逮捕の指示を待ち、尾行していた少年が、目の前で新たな事件を起こした苦い経験。

身を寄せる場所がなくなり、勝浦は家族と行くはずだった海辺のペンションに向かう。
何も知らないオーナーの圭介(柳葉敏郎)と久美子(石田ゆり子)はあたたかく迎えてくれた。
明くる朝、季節外れの海辺に人影が見え、投石によりペンションのガラスが割れる。

ネット上には、事件をあつかう特設ページができ、「容疑者を糾弾せよ」とある。
容疑者家族の情報・顔写真、沙織の居場所、勝浦の情報までもが、正確に掲載されていた…。


真相を知った圭介は「出て行ってくれ」と怒鳴る。
圭介と久美子は、例の事件の被害者の親だった。
そこには、被害者としての言い尽くせない思いがあった。

容疑者家族の保護という一面から描く社会派ヒューマンドラマ。
そこから新たな現代社会の問題点が浮き彫りにされている。

【キャスト】
佐藤浩一、志田未来、松田龍平、石田ゆり子、佐々木蔵之介、佐野史郎、木村佳乃、柳葉敏郎ほか

【公式ページ】
http://www.dare-mamo.jp/

【予告編】

2008年12月8日月曜日

チェ 39歳 別れの手紙 1月31日公開の映画

キューバ革命、コンゴ遠征に続くボリビアの解放
あえて彼を擁護するなら、人民を解放するために生きたということ
圧倒的ボリビア政府軍に対して、ゲリラは孤立・無力
彼が残したものとは、一体何だったのだろうか?

(C) 2008 Guerrilla Films, LLC - Telecinco Cinema, S.A.U. All Rights Reserved



1965年、チェ・ゲバラ(ベニチオ・デル・トロ)は、さとうきび畑の視察に行くといい姿を消した。
行方がわからない中、カストロ(デミアン・ビチル)は公の場でチェから届いた手紙を披露する。
「世界の他の国が僕のささやかな力を必要としている。」
「君はキューバの責任者だからできないが、僕にはできる。」
「別れのときが来た。」

彼はキューバでの大臣の地位や市民権を捨て、ボリビアの民を救う闘いに出た。
変装し、“ラモン”を名乗り、家族と最後の食事をする。
子供たちは、自分の父にさえ気づかなかった…

ボリビア革命の後のバリエントス大統領の独裁により、ボリビアの農民は苦しい生活をしていた。
そこで彼は、“ラモン”のまま、ひそかに同志を募り、着々と武力闘争の準備をした。
キューバと違い、準備や支援が足りなかったのではなかろうか?
共産党の代表・モンヘ(ルー・ダイアモンド・フィリップス)と会い、協力を断られてしまう。
なぜなら、共産党は話し合い・ストライキなど平和裏での解決を望んでいたから。

農民・市民を解放するという大義を説くが、農民たちは政府軍に与してしまう。
ゲバラの存在を消したことが災いしたのか?
市民からの理解は得られなかった。
親アメリカ政策を取る政府軍は、アメリカの強力な援助を取りつける。
ゲリラ同志の不用意な行動もあり、ゲリラの動きが察知され、徐々に切り取られていく。
圧倒的な戦力の差により、追い詰められるゲリラ部隊とチェ。
最後は山あいの、渓谷にいるところを、あっさりと捕まってしまう。

この2作目では、よくある英雄は登場しない。
今なお、ゲバラが英雄として崇められるのはなぜか?
裕福な家庭で育ち、医師であり、アルゼンチン人の彼はなぜ3つの闘いに参加したのか?
それは南米の歴訪中に出会った、ボリビア革命やグアテマラ革命、
帝国主義に苦しむ市民の抵抗の姿なのかもしれない。

【キャスト】
ベニチオ・デル・トロ、カルロス・バルデム、デミアン・ビチル、コアキム・デ・アルメイダほか
【公式ページ】
http://che.gyao.jp/
【予告編】

2008年12月6日土曜日

大阪ハムレット 1月17日公開の映画

生きてることは、素晴らしい
普通の家族でありながら、個性的な3人の子供、おじさんと母
年上の女性に恋する長男、不良の次男、女の子になりたい三男
こてこて大阪のファミリーの心温まる作品
人気漫画家・森下裕美の同名漫画の映画化!

(C)2008「大阪ハムレット」製作委員会


いきなり父親(間寛平)が死んでしまう。
悲しいお葬式では、集まった知り合いたちが、故人の悪評の花が咲く!
そこへ、故人の弟を名乗る叔父が、乱入し、住み着いてしまう。
気丈な母(松坂慶子)は、昼は病院(老人ホーム)、夜はスナックで働き、家庭を支えていた。

まず、次男が面白い。
写真のような不良っぷりで、ヤンキー座り、先生を名前で呼び捨て、喧嘩ばかり。
こんな次男がある日図書館へ行き、ハムレットを読み出す。
先生が自分の家族のことを、ハムレットにたとえたから。
漢字も、意味もわからず、辞書を拡げ、読みふける姿が笑える。
彼は、自分は本当に父親の子か悩んでいた。

長男はどちらかというとまじめっぽい。
ある日、住之江の塾から帰り道で、教育実習に来た女子大生(加藤夏希)に道を尋ねられる。
一目ぼれした長男は、その後彼女を待ち伏せたように、話しかける。
すぐに心を通わせる2人。
だが、ちょっと大人びて見える長男は、自分が大学生だと嘘をついてしまう。
背伸びしたかったのだろう。

小学生の三男は、優しくて女の子っぽい性格。
母の妹(本上まなみ)の影響で、自分の思うとおりに生きる!ことを実践。
髪も長く、自分で調髪、叔母に化粧してもらったり、かわいい服に憧れたり。
そんな三男に母は、「これから辛い思いをする」ことを案じていた。

自由奔放だが、しっかり者の母は、昼も夜も働き人気者。
突然兄弟に自分が妊娠したことを告げる。
兄弟は、急に同居しだしたおじさん(岸部一徳)の子だ?と想像する。

こんなファミリーにもいろいろ問題が…。
特に三男。
小学校の学芸会で、演じることになった白雪姫で、自らお姫様役を買って出た。
クラスには動揺が走るが、みんな了承。
ただ隣のクラスの男3人組から、「おとこおんな」の異名で呼ばれ、気持ち悪がられてしまう。
家帰り、泣きじゃくる弟を見て、次男が声をかける。
「どうしたんや。泣いててもわからん。」

学芸会当日。
叔父は、働いていた警備会社を辞める。
長男は、仲良くしていた女子大生と別れる。
次男は、小学校へ行く途中、不良たちにからまれ、喧嘩になる。
三男は、舞台の上で、例の男の子たちにからかわれ、観客からも笑われる始末。

普通の家族が、それぞれの人生で悩み、生きている。
明るく、楽しく、悲しい家族ドラマが展開される。

【キャスト】
松坂慶子、岸部一徳、森田直幸、久野雅弘、大塚智哉、加藤夏希、白川和子、本上まなみほか
【公式ページ】
http://www.osaka-hamlet.jp/

2008年12月4日木曜日

禅 ZEN 1月10日公開の映画

13世紀の鎌倉新仏教が次々と開かれた時代
「ただ、坐るのみ」を説いた道元
乱世に人々の生きる道を説いた禅宗の開祖
他の宗派から疎んじられるが、その精神は揺るがない
学ぶべき事がいくつも見つかるかもしれない…

(C)2009「禅 ZEN」製作委員会


道元(中村勘太郎)が8歳のとき、母・伊子(高橋惠子)は、この世を去る。
母がいう。「あの世が浄土だというけれど…」。
道元が答える。「あの世ではなく、生きているこの世が浄土でなければ意味がない」。
当時は鎌倉時代で、京の都でさえ、争い・略奪が横行していた。
伊子は最後に「あなたにはこの苦しみから抜ける道を見つけて欲しい」といい残した。

青年となった道元は、中国の宋に入る。
ある高僧は、「これから役人に会う。役人に会うことも寺を守る上で大事なことだ」という。
いろいろな僧に会うが、これぞという教えを持った人はいない。
落胆していた道元はある日、若い僧と会う。
そして、天童山に行き如浄禅師に会うことを勧められる。
如浄禅師は、ただ坐ることのみを説いていた。
道元は、ここで修行を積むことを決意した。

悟りを開いた道元は、帰国し、京都のもといた建仁寺で如浄禅師の教えを広め始めた。
ただひたすら修行し、道元の姿を見、話を聞いて、支持する者が集まりだす。
たった2人の弟子は瞬く間に増え、檀家も集まり出した。

遊女のおりん(内田有紀)は、道元に幼い頃救われた。
貧しくて、おにぎりを盗んだあげく、その主に捕まえられ、切り捨てられようとした。
おりんはこどもを抱え、働かない亭主と3人暮らしで、自分の体を売っていた。
ある日、おりんは赤ん坊の具合が悪いと、道元に助けを求める。
道元は、治す術を伝授するのだが…。

しかし、他宗派から見ると、その拡大は面白くない。
比叡山から敵視され、僧兵がやってきた!
取り囲まれた道元たちは、六波羅探題・波多野義重(勝村政信)に救われた。
義重は、道元に洛外・深草の安養院に移ることを勧められた。

そこで一緒に畑を耕し、棚田には多くの稲が実った。
まもなく義重から、また比叡山の僧兵の企てを耳にする。
その矢先、僧兵が襲撃し、火のついた薪を投げ込み、寺を焼き払ってしまう。
再び、義重の領地・越前に移る。

ここでの生活が順調に進む中、突然義重が訪問する。
執権の北条時頼(藤原竜也)は、それまでに犯した殺生により、怨霊に取りつかれていたのだ。
義重はこの時頼を救って欲しいと懇願する。

この時頼を救いに、鎌倉へ行く道元。
時頼にも、「今のままを受け入れるための座禅」を進める。
一度は道元に向かって刃を向けた時頼も、座禅を受け入れる。
その後道元は、弟子の目の前で、座禅したまま、生涯を終えるのだった。
解説書には、「この禅ZENの教えが今なお、人々の心に響き、その光を失わない」とある。

【ことば】
道元:曹洞宗の開祖。越前に太平寺を開く。
座禅:足を組んで目をつぶる。禅宗では、人間の中にある仏性を見つけるため(以心伝心)の修行達磨大師が有名。
只管打坐(しかんたざ):ただひたすら座禅すること。曹洞宗の教え。
修証一如(しゅうしょういちにょ):修行は悟りのためでなく、修行と悟りは一体のものだということ。
正法眼蔵(しょうぼうげんぞう):すべてを明らかにし、包み込んでいる、正しい教え。仏法。道元の書名。

【キャスト】
中村勘太郎、内田有紀、藤原竜也、テイ龍進、高良健吾、安居剣一郎、西村雅彦、笹野高史ほか

【公式ページ】
http://www.zen.sh/

【予告編】


 
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